山の男はかっこいい!グリーンベルト事業をレポート!
皆さんは六甲山系グリーンベルト整備事業ってご存知ですか?
六甲山といえば緑豊かな山なイメージが強いのですが、
なんと中世から近代にかけて薪炭材や建築資材として乱伐され、緑のない山になってしまっていたそうなんです。
(六甲山系グリーンベルト事業パンフレットより)
あまりに緑がなく、山肌が見えている山だったことから、遠くから六甲山を見た人たちが山に雪が積もっていると勘違いをしていたという話が残されています。
当時の写真を見ると、確かに雪山に見えますね!
明治時代になると山に緑を戻すため植林が始まり、現在までで約700基もの砂防堰堤が作られる等、様々な対策をしてきました。しかし、1995年には地震の影響で山腹が崩壊。市街地も近くにあることから、これまでの土砂防災対策にプラスして山自体を土砂災害に強い山にしていこうという「六甲山系グリーンベルト整備事業」が行われることになりました。
<山自体を土砂災害に強い山にするとは?>
土砂災害に強い山とは土砂災害防止効果の高い樹林帯を作ることなんです。
具体的には、いろいろな様々な高さの木や下草がバランス良く生え、様々な樹齢や樹種の木々が生い茂る森ができることを目指しています。
このような森は木の根が土層の浅い層から深い層まで行き渡り、山肌の土を縛る効果が高くなり、地盤が強くなって崩れにくくなります。
そのために、土砂災害防止効果の高い樹林であるコナラ・アベマキなどの落葉広葉樹林を保全し、直径8cm以下の常緑樹・ネザサ・つる植物を伐採する除伐や直径8cm以上の常緑樹が隙間なく生えている所では、一定の割合で大木を伐採する本数調整伐(間伐)を行っています。これらの作業を行うことで、林内は日が差して明るくなり、多様な植物が生育可能な環境を整えています。また、特殊事情地では住宅際の県管理地域斜面に生える立木が、万が一倒れると、人家等に被害が及ぶ可能性があるので事前に高木を伐採しています。
現在も六甲山を安全で自然豊かな山にするべく、いろんな人たちが整備してくれています。
今回は土木事務所が管理している4エリアのうちの一つである観音寺エリアの事業の様子をお伝えします!
まず向かったのは摩耶ケーブル駅!
ヘルメットをかぶって準備完了!
ヘルメットには兵庫の「兵」という文字を使った可愛いロゴがついています。
「めっちゃかわいい!!」
ヘルメットをかぶるだけで探検感が一気に増す感じがたまりません!
ケーブルに乗ってさっそく出発〜!
摩耶ケーブルは急勾配で28度40分の傾斜!
ぐんぐん斜面を登っていきます。
虹の駅に到着するとさっそく山道へ!
少し歩いたところに木がたくさん切られている場所を発見!
これはグリーンベルト整備事業の一つなんです!
下の写真のように常緑樹が多い場所はなかなか地面に日が当たりません。
それに比べて除伐し、常緑樹を減らしてコナラーアベマキ群落(落葉広葉樹林帯)に誘導された場所は、、、
たくさん日が当たっているのがわかりますか?
このように地面に日が当たると植物が育ちやすくなるんです!
さっそくここにも植物が!
よく見てみると整備されている場所は新しい植物たちが生き生きと育っています。
この場所まではなだらかな道だったのですが、ここからはいきなり険しい道になってきます。
イノシシが地面を掘った跡も発見!
道無き道をどんどん下へ降りていきます。
みなさん、降りるのがめちゃくちゃ早い、、、。
どうしてそんなに早く歩けるのか聞いてみると、履いている靴が全然違うことが発覚!
私はトレッキングシューズだったのですが、みなさんが履いている靴は作業用のスパイク付きのもの!
さすがです!
しばらくこのような危険な場所をひたすら進みます!
山にはたくさんの木が生えています。
奥にあるのは昔、コルクの原料として使われていたアベマキの木。このアベマキは落葉樹林なので、伐採せずに保全しています。
この木の皮がコルクになるそうで、触るとモロモロしています。
さらに先へ進むと金網で囲われた場所を発見!
ここは新しく植えた木をイノシシから保護するために試験的に設置したもの。
中を覗くとピンクの印がついた若木が見えました。
他にも山の中には砂防ダムがたくさんあります。
砂防ダムは土砂災害を防止するために作られたもの。
これは見た感じ、古そうな砂防ダム。
いつ頃作られたものなんやろう、、、?
しかも、よ〜く見て見ると、、、
亀の甲羅のような模様が!
石で作られているのにデザインにもこだわっていてとってもかっこいい!
木々や砂防ダムに癒されつつも、急な斜面を滑り降りていきます。
こんな斜面を降りるなんてめちゃくちゃすごくないですか!?
さらに進むと作業をしている方々を発見!!
ここで行なわれている作業は除伐といって、コナラやアベマキなどの落葉広葉樹林を保全して、土砂災害防止効果の高い様々な樹齢・樹種からなる樹林帯が形成するのを阻害する要因とされている常緑樹であるネザサ、つる植物を伐採しています。これにより、明るい環境が形成され、林内には多様な植物が生育可能となります。
まるで忍者みたいに素早い動きで斜面を登っていきます。
こんなに急な斜面なのに命綱は使っていないとのこと。
さすが職人さんは違うなぁと実感!
これは、切った木を積む作業。
切った木を積むことによって水や土砂の流れが緩やかになる他、数年後には山の肥料になるそうです。
山の中にはこのような所がたくさんあります。
実はこの場所、山に住む小動物や昆虫の住処になっているそうなんです。
いろんな生き物もこの山にはたくさん住んでいるんですね。
せっかくなので作業をされている方々にお話をお聞きました!
まず一つ目はみなさんが着ているオレンジ色の服について☆
これは山の中で最も目立つようにオレンジ色なんだそうです。
実際に結構遠いところから見てみたのですが、めちゃくちゃ目立っていました。
しかもズボンのオレンジ色になっている部分はチェーンソーが当たっても切れないようになっているそうです。
二つ目は通勤について☆
なんとこのめちゃくちゃ急な斜面を毎日往復しているとのこと。場所によっては急すぎてロープを使って降りたりすることも!
しかも時にはチェーンソーなどの重い機械を持って歩くそうなんです。
本当に大変なお仕事です。
安全や安心って今では当たり前のように感じてしまいがちだけど、実際に危険な場所で頑張って働いている人たちがいるおかげで今があるんやなぁとしみじみ感じました。
「土木ってかっこいい!」
実際に働いている方を見て改めてそう思った一日でした☆
最後に記念写真をパシャリ!
おまけに摩耶山からの景色♪